
第1回AITeC DSコンテスト
人工知能技術コンソーシアム(AITeC)は、データサイエンス教育と実践力の向上を目的として、このたび第1回データサイエンスコンテストを開催いたします。
本コンテストは、未来を担う学生の皆さんに、データに基づいた課題解決の力を培う機会を提供するものです。分析から課題解決策の提案までを一貫して体験できる本コンテストを通じ、あなたの挑戦をお待ちしています。
開催概要
人工知能技術コンソーシアム主催データサイエンスコンテスト(以下、本コンテスト)では、学生が自らCRISP-DM(クリスプディーエム)に則ったデータ分析を行い、データに基づいて課題解決案を策定するまでのプロセスを体験できます。審査は、分析結果をまとめた成果報告資料によって行います。本コンテストを通じて、自身のデータサイエンスの知識や実力が、現実のビジネス課題にどこまで通用するのか、そのレベル感をはかることができます。
応募条件
- 対象:大学生、大学院生(中学生、高校生、高専生も応募可)(※1)
- 条件:1~3名でチームを編成し、うち1名を代表者とすること (※2)
※1 中学生~大学院生の混成チームも応募可能とします
例:[A大学・B大学・C高校の3名]、[D高校2名・E中学1名の3名]
※2 代表者には、応募申込、課題の提出、事務局との連絡など、チームの窓口役を務めていただきます
テーマ
データサイエンスによる事業課題解決案の策定
提出内容
与えられたデータを分析して、分析結果をプレゼンテーション資料にまとめて、分析エビデンスと一緒に提出してください。
- 成果報告資料(PDF)※
- データ分析のエビデンス※
※フォーマット、必要事項などの情報は参加申込者に提示します
全体スケジュール[予定]
- 募集開始 :2025年10月14日(火)
申し込みフォームから申し込みを行ってください - 申込締切 :2025年12月08日(月) 23:59まで
- 課題発表 :2025年12月15日(月) チーム責任者宛てにメールで連絡します
- 課題提出締切 :2026年01月26日(月) 23:59まで
- 審査結果発表 :2026年03月09日(月)
応募方法
チームの代表者は、必ず申込フォームから申し込みを行ってください。
また、お問合せがある際もDSコンテストポータル内のお問合せフォームからお願いいたします。
【ポータルサイト】
申込者向けのポータルサイトでは、コンテストの詳細情報を随時お知らせいたします。
ポータルサイトへのアクセスにはパスワードが必要です。
パスワードは申込者に別途ご案内いたします。
データサイエンスコンテスト紹介動画
データサイエンスコンテストについて語る
神戸大学 × 日立システムズ × 産総研 × 教育現場のリアルな対話から見えてくるもの
はじめに:コンテストの背景と教育的意義

皆さん初めまして。バリューデザイナーの穂積融です。今回、データサイエンスコンテストを開催するというお話を林先生から伺ってるんですけど、そもそもこのコンテストは何を狙っているものでしょうか?このサイトを見てる方も“なんで神戸大学の先生がこういったコンテストをやってるんだろう?”って思う方もいらっしゃるのではないかと。。。まずはその狙いを教えていただけますか?

神戸大学
はい、初めまして、林と申します。神戸大学附属の教諭で、産総研AITeCで教育ワーキンググループのリーダーをしています。もともと神戸大学附属中高でデータサイエンス教育を広めようと取り組んできたんですが、1校だけでは限界がある。授業だけじゃなく教材やコンテンツの面でももっと広く展開したいと思ったのがきっかけです。

神戸大学
実は板井さん(日立システムズ)に協力いただいて、PBL形式でデータセットと課題を学校に持ち込んで、生徒が実際にデータ分析を体験する取り組みをしています。普段の数学の時間には元気のない生徒が楽しそうに取り組んでいる姿を見て、これは教育的にすごく意味があると感じました。
数学が苦手でも取り組める理由

僕も数学は苦手で、できれば避けたいと思ってたタイプなんですけど(笑)、そんな僕みたいな数学嫌いな生徒でもデータサイエンスだと楽しそうにしているっていうのは、どういうことなのでしょうか?

神戸大学
実際、数学が苦手な生徒でも、統計やデータを使って自分の考えを表現できたことで、すごく喜んでいました。仮説検定までやって“こっちの方が優位かも”って言えるようになると、周りから“すごいじゃん!”と褒められる。そういう経験が、数学への苦手意識を変えていくんです。
データサイエンスって何?

そもそも“データサイエンスって何?”というのがまだピンときていなくて。簡単な例で教えてもらえますか?

神戸大学
例えば、スーパーマーケットで“最近お客さんの動きが変だな”と感じたときに、データを見て仮説を立てて、改善策を考える。そういうサイクルを回していくのがデータサイエンスです。

日立システムズ
初めまして、日立システムズの板井です。日立のデータサイエンティストとして最高位の役職に就いている者です。データを中心に置いた行動がデータサイエンスです。統計やAIは手段であって、目的が大事。目的には、課題解決型と探索型の2つがあります。
学問の横断性と総合格闘技としての学び

産総研
今の議論、すごくいい流れなので少し割り込ませてください。大学の学問って、サイエンス、テクノロジー、アート、デザインなどが細分化されてしまっている。でも実社会では、それらが横断的に行き来しながら問題解決しているんです。

産総研
目的を見つけるにはアート思考、手段を考えるにはテクノロジー、検証にはサイエンス、価値創造にはデザイン。データサイエンスは、そうした学問の“総合格闘技”なんです。学生の段階でこうした横断的な学びに触れることは、非常に重要だと思います。
チームで挑むからこそ面白い

今回のコンテストはチームで取り組めるんですね?

神戸大学
はい。最大3人までのチームで参加できます。得意なところを活かして、苦手な部分は仲間と補い合う。企業でもそうですし、教育現場でもそのような協働が大事です。

日立システムズ
実際の企業でもデータサイエンスはチームで取り組むのが基本です。1人でやるのは危険で、思い込みに陥るリスクもある。総合格闘技というお話がありましたが、だからこそ、複数人で知識や視点を持ち寄ることが重要なんです。

産総研
まさにその通りです。データサイエンスは、数学や情報だけでなく、人文社会や芸術の知見も必要です。企業では、課題の本質を見極めるところから、技術的な分析、経営的な評価まで、複数の専門家が連携して進めています。1人でやるのはリスクが高く、チームで取り組むことが成功の鍵です。
終わりに:あなたの問いが未来を動かす

なるほど。データサイエンスって、単なる分析や問題解決じゃなくて、本質を見極めて“問いを立てる力”そのものなんですね。しかもそれを仲間と一緒にやることで、もっと深い学びになる。これは、すごく面白い取り組みだと思います。
主催
産総研 人工知能技術コンソーシアム(AITeC)
